バーシン 1 on 1やOKR(米グーグルやフェイスブックも使う目標管理ツール)は、適切に運営されれば本当に素晴らしい制度ですので、地道に頑張ってくださいね。ちなみに、ビズリーチのような日本の急成長ベンチャーが、どんなことを考え、どんな価値観で仕事をしているのか興味があります。何か大切にしていることはありますか。

 そうですね。社員にはずっと「生き残るためには変わり続ける必要があり、何よりも変わり続けるためには、学び続ける必要がある」ということは伝えています。これからの時代を働き抜いていく上で、会社としても個人としても、大切な価値観や姿勢なのではないとか思っています。

 とにかく物事が「わからない」と素直に認めることができれば、何か新しいことを学ぶことができる。また、他人から何かを教えてもらう時も、もし自分自身が教える立場であれば、どのような姿勢や態度をもった方に教えたいかを考えてもらいたいです。自ずと学ぶ際の「あるべき姿」が見てくると思います。

バーシン 学ぶことは、ヒトとして最も大事な基礎行動ですし、勉強癖のあるヒトや会社は大きく成長する可能性を秘めています。

企業経営に「ボス」は要らない
マネジャーは「コーチ」になるべき

南壮一郎氏
南壮一郎(みなみ・そういちろう)
1999年、タフツ大学の数量経済学部・国際関係学部の両学部を卒業後、モルガン・スタンレー証券に入社。2004 年、楽天イーグルスに創業メンバーとして参画。09 年、株式会社ビズリーチを創業。14年、世界経済フォーラム(ダボス会議)から「Young Global Leaders」の1人に選ばれる。2017年、株式会社ビズリーチが日本ベンチャー大賞にて審査委員会特別賞を受賞

 それ以外ですと、ヒトや組織の「主体性」も大変重視しています。我々は、これからも社会の挑戦者として、世の中に影響を与えられるような事業創りを続けていきますが、まだ恥ずかしながら、会社としても組織体制としても未熟です。そんな立場にある自分たちが、ただ受け身で待っていても何も起こりません。自らが取りにいく姿勢を持ち続けない限り、会社としての存在意義はありません。

 テレビCMなどにより、数年前と比較すると「ビズリーチ」の認知度は上がりましたが、少しでも自分たちの存在を勘違いしたり、誠意をもってお客様や事業と向け合わなくなったりした瞬間、急成長したスピードと同じくらいの急スピードで、会社も組織も崩れていくと思います。だからこそ、社長もマネジャーも新卒社員も、みんなが当事者意識を持って、お互いを支えながら、これからも会社が目指す姿を実現していきたいです

バーシン 南さんの話もそうですが、現代の企業経営に「ボス」は必要ないと感じます。ガラス張りの個室から指示を出していたのがかつての「ボス」で、これからの時代に必要なのは、会社の方向性を示しながら部下の潜在能力を引き出す「マネジャー」ですね。まさにマネジャーはよき「コーチ」になるべきです。