ドナルド・トランプ氏が大統領に就任した際、公約通りに国を統治できるかもしれないと信じる理由があった。同氏は両党から距離を置いてほぼ無党派として選挙を戦い、どちらの党にもしがらみがないため、両党をつなぐ能力さえあるかに思われた。5日に行ったの最初の30分間、トランプ氏が下院本会議場で発した言葉はまさにそうしたトーンだった。民主党に向けて両手を広げ、米国民は「われわれが2つの党ではなく、1つの国家として統治することを期待している」と宣言した。トランプ氏自身、絶えず政敵を侮辱することに余念がないが、演説では「無益な破壊」や「復讐(ふくしゅう)の政治」を拒否するよう議員らに促した。を招いた党派争いについては一切言及せず、「わが党が勝つことが勝利ではない。わが国が勝つことが勝利だ」と述べた。