関係者によると、この中で中台連合が提案した、JDIの技術を活用して浙江省に有機ELパネル工場を建設する計画こそがJDI再建策の目玉だという。それが極秘プロジェクトの正体であり、東入來会長らは、その計画の最初の協議のため、浙江省を訪問していたのだった。

中台連合が引き出す中国補助金

 中台連合には、中国シルクロード・インベストメントキャピタル(CSIC)と、中国最大の資産運用会社の嘉実基金管理(ハーベスト・ファンドマネジメント)、台湾のタッチパネルメーカーの宸鴻集団(TPKホールディング)、中国の自動車部品メーカーの敏実集団(ミンス・グループ)が参加している。

 中台連合によるJDIの再建策のタイトルは「フェニックス(不死鳥)計画」。文字通りにJDIを死のふちからよみがえらせる案が詳細に記されている。

 浙江省の有機ELパネル工場の計画は、投資額が約5000億円で、資金は中国政府の補助金を活用する。早ければ19年中に建設を開始し、21年の量産開始を見込む。

 狙いは、米アップルのiPhone用の有機ELパネルの生産能力を確保することだ。6インチサイズのスマートフォンなら月に400万台分の有機ELパネルを生産できる規模を目指す。

 アップルの計画に詳しい関係者によると、20年以降に発売するiPhoneは、全モデルで有機ELパネルを採用する方向で動いている。

 このままいけば、液晶工場しか保有していないJDIはアップルとの取引を全て失うことになるため、もともと有機ELパネル工場の建設を急ぐ必要があったが、経営危機を繰り返してきたJDIには、その資金がない。このため、中国政府の補助金を活用するのが肝。