外交とは自転車に乗ることに少し似ている。まっすぐ前に進むか、途中で転ぶかだ。これはまさに、トランプ政権が先週の米朝首脳会談を終えて置かれた状況と言える。首脳会談は一部で言われているほどひどい結果には終わらなかった。非核化を巡り、悪い合意が結ばれることはなく、より良い合意に向けた扉は依然開かれている。では、ハノイで開催された米朝首脳会談は何をもたらしたのか。その結果は、ホワイトハウスが今、北朝鮮問題を今後も前に進めるために、二つの重要な課題に直面していることを示している。トランプ政権はまず、解決が求められる大きな争点について、現実的な従来の交渉プロセスを確立する必要があるだろう。北朝鮮の完全な非核化の見返りとして米国も完全な経済正常化に応じるという、首脳同士が直接決着で狙った奇跡のような、完全無欠の構想は、実現する運命にはなかった。
米朝交渉の行方、「地道」外交に勝る魔法なし
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