百貨店の中でも、高級化粧品専門店として三越伊勢丹HDが「イセタンミラー」を、阪急阪神百貨店が「フルーツギャザリング」を展開したりしている。またイオンも、「コスメーム」を展開している。だが、それも一部。百貨店は大量に閉鎖しているため、化粧品ブランドは販路を失いつつあるのだ。

 そうした化粧品ブランドが、“新天地”ことして目指しているのがドラッグストア。マツキヨHDを追うように、ウエルシアHDも化粧品に力を入れている。3月には高級化粧品専門店の1号店「ナルシス」を東京・台場に出店。「ディオール」や「シュウウエムラ」など、国内外の17の高級ブランドを扱う。

 美容部員が顧客の相談に乗り販売する「セミセルフ」のスタイルを取る。今後、千葉・柏の「ららぽーと柏の葉」や埼玉・三郷の「ららぽーと新三郷」など、関東地区に4店を展開する計画だ。

 化粧品ブランドとのパイプが太く、ブランドそろえや販売ノウハウが蓄積されている百貨店を向こうに回して堂々の参戦。ウエルシアはそれだけ化粧品には妙味があると判断したのだろう。

 ウエルシアの参入で、化粧品の売上高比率が42%と高いマツキヨHDもうかうかしていられない状況だ。

医薬品・調剤中心では
将来厳しくなる

「調剤は今後、もうからなくなる」

 ウエルシアHD幹部がこう語るのには理由がある。というのも、医薬品を中心とした商品構成、店舗運営だけでは近い将来限界がくるとされているからだ。

 このような業界認識について、特にドラッグストアの中でも調剤薬局の併設率が68.6%と高く、医薬品の売上高構成比21.5%と高いウエルシアHDは、切実な問題としてとらえているようだ。

 調剤は、人件費が高い薬剤師を常駐しなければならないし、「薬価は下がることはあっても、上がる可能性は低い」(ドラッグストア幹部)。

 医薬品がもうからなくなることで将来、ドラッグストアが岐路を迎えるといわれるゆえんだ。