◇「楽しいカーリング」って何?

 ソチ五輪を逃した後、「楽しいカーリング」に改めて向き合った。「楽しむ」という言葉は曖昧だ。「前向きな気持ちで取り組む」でも「レクリエーションとして遊ぶ」でも、どちらでも成立する。受け取る人によって誤解されやすい言葉でもある。関係者から「真剣な競技を楽しむなんてふざけている」「自己満足に聞こえる」などと指摘されたこともある。

 それでも、理想のチームをつくるため、世界で勝つため、ロコ・ソラーレは“楽しさ”を失うわけにはいかなかった。全力で楽しむからこそ、想像以上の結果を出すことができるのだ。

 真面目に遊んで勝つこと。もちろん、そのためには苦しさが必要だ。振り返って「楽しかったな」と思うためには、当然ながら、その何倍もの苦しさをくぐりぬけなければならない。きつい坂を上った先にある、次の景色を見るために頑張るのだ。

 楽しみ、かつ結果も出す。そのために、チームは「とにかく全力でやる」ことを念頭に置いた。そのうえで、誰が何を言ってもいいような本音のミーティングを何度も重ねた。それを繰り返すうちに、「全力で試合を楽しむために、苦しい練習が必要」という共通認識がチームに浸透してきたという。

「楽しい」経験をするために、大変な準備がある。少しずつではあるが、次の4年へ向けて環境が整っていった。

◇愛すべきロコ・ソラーレのメンバー

 平昌五輪で急速に注目を集めるようになったカーリング。以前はスキップのコメントばかりが求められていたが、今はメンバー全員が取材を受けるようになった。

 自由で天真爛漫、世界中のカーラーから「baby」と呼ばれている鈴木夕湖。ロコ・ソラーレのスターティングメンバーで、小さな身体に計り知れないパワーを秘めた選手だ。

 夕湖と同時期に加入した吉田夕梨花は、考え抜いて動く慎重派。二人は最年少コンビ「ちび部」を結成し、楽しくカーリングに取り組んでいる。