「もうマンションを買ってもいいかな。でも損はしたくないし、ローンも怖い」。
そんなあなたが買うべきは、「60m²前後」×「駅徒歩7分以内」×「2001年以降完成」のマンションしかありません。
本連載の書き手は、「不動産ひと筋30年! 12000人と面談し、成約件数は6000件以上」という圧倒的なキャリアを持つ後藤一仁氏。不動産仲介会社の“現役”社長です。「不動産を通じて、1人でも多くの人に幸せになってほしい」という願いが込められた『マンションを買うなら60m²にしなさい』の著者でもあります。「損をしない、戦略的なマンション選び」を語ってもらいます。
頭金の考え方とは?
「頭金は2割以上必要」「頭金は多ければ多いほうがよい」と言う人がいますが、史上最低金利の今、無理をして多く入れる必要はありません。購入後の生活に残しておく金額を算出したうえで考えましょう。
頭金の計算方法は2つあります。ベースとなる考え方は、「貸しても大丈夫か」「売っても大丈夫か」です。
購入を検討しているマンションを貸した場合の賃料(想定賃料額)を把握し、「月々のローン返済額+管理費+修繕積立金+固定資産税等の月割分の合計額」を下回らないように頭金で調整します。
売却も同様です。10年後、もしくは20年後の「想定売却額」を把握し、住宅ローンの残債を相殺できるように頭金を設定します。
極端に言えば、「貸しても売っても大丈夫」ということがわかれば、頭金はゼロでもかまいません。
例えば、人気沿線の駅徒歩5分の場所にある築浅マンションが、3700万円という安価で買えそうという状況で考えてみましょう。
そして調べたところ、「10年後も3700万円、もしくはそれ以上で売れる」「月17万~18万円で貸せそう」と予想できた場合、頭金を入れなくても大丈夫かもしれません。
しかし、マイナー路線の郊外の駅徒歩12分のマンションを3700万円で買うなら話は別です。調査した結果、どうやら10年後に2000万円になってしまい、貸しても10万円くらいというなら、頭金を3割以上入れても不安が残ります。
適正な頭金は、資金状況や今後の収入の見通し、購入しようとしている物件のエリアの賃料相場や価格相場によって変わります。