YouTubeはもはや
若者だけのものではない

 もう1つ、大きな問題があります。それは録画メディアの栄枯盛衰です。私たちはその犠牲になっているわけです。

 先述したように、老後の楽しみに、本当に多くの番組をこれまで録画してきました。しかし、時代を経るごとに、最先端だったはずの再生装置がどんどん使えなくなってしまうという大問題があります。

 本当に、声を大にして電機メーカーに文句を言いたいところです。

 通常のVHSと8ミリビデオデッキはまだ手に入りますが、S-VHSとHi-8がもう手に入りません。βもそうです。私はβから始まってS-VHS、Hi-8、ハイバンドβ、VHDディスク、レーザーディスク、そしてデジタルVHSと遍歴を重ねてきました。これらでどれほどの番組を録画したりソフトを買いためたりしたことか。わが家はまるで博物館です。

 財力と体力と時間を捧げれば、全てのコンテンツを新しいメディアに変換もできるのでしょうが、とても、そこまではできません。

 ずらりと並んだビデオテープやディスクを見ながらため息ばかりついていたそんな私の今の最大の福音は、YouTubeです。もう2度と見ることができないと思っていた映像をYouTubeの中で発見したのです!

 聞いてみると、私の世代の中でYouTubeのファンはあまりいません。これはもったいない話だと思います。YouTubeは玉石混交という面も確かにありますが、宝物もたくさん埋まっています。例えば、「懐メロを聴きたい」と思えば、私の場合はほとんど見つけることができました。チャンネル登録やタグ付けを駆使すれば、探す手間も少なくなります。

 YouTubeは私たちにとって、いわばタイムカプセルのような存在なのです。古き良き時代のドラマも、その多くは再視聴することができます。

 小学校の時に好きだった「原子力潜水艦シービュー号」や脳神経外科医の「ベン・ケーシー」などは、粗い画像ではあるものの、楽しむことができました。

 ちなみに、私が最も長い時間、YouTubeで視聴しているカテゴリーはテレビCM集です。特にJRや、サントリーなど、かつての名作CMのファンです。例えばサントリートリスのCMで『雨と犬』という1981年の作品があります。これも見ることができます。今見ても斬新なCMです。なぜこれがウイスキーのCMなのかはいまだによくわかりませんが、素晴らしいCMだと思います。

「いろんな命が生きているんだね。元気で。とりあえず元気で、みんな元気で」

 それがナレーションです。先ほどの実験番組と同じで、テレビというものが時代の最先端を走っていた、これも証左なのだと思います。今の若い人たちにはそれほどのインパクトはないでしょうが、少なくとも私たち世代が今見ると、いろいろなことが思い起こされ、つい涙ぐんでしまいます。