陥れられてしまった
堀井さん

 堀井さんは、このままBさんに実質上のチーフを任せていたら、役員とのコミュニケーションがますます悪化すると考え、今の状況を率直に役員に相談しようと思い始めました。しかし、時すでに遅しで、相談に行く前に、役員からBさんをチーフとすることが正式に発表されました。秘書課にも籍を置いていた堀井さんは降格ということになります。

 驚いた堀井さんは、今回の人事や今後の自分の処遇について話したいと役員に面会を申し入れると、面会は新チーフBさんを通すよう言われます。その場に居合わせたBさんは勝ち誇ったような表情をしていました。

 やっと役員との面会にたどり着いた堀井さんは、ここで衝撃の事実を知ります。今回の件は、AさんとBさんが一緒に役員のところへ行き、チーフであった堀井さんの下で働くことは難しいと、巧妙に役員に告げていたのです。2人は裏で手を組んで、堀井さんを陥れていたことになります。

 2人が役員から決定的な信頼を得た切り札は、役員と堀井さんしか知り得ないような新規企画に関する話を出したからです。それを聞いた役員は堀井さんを信用できないと思ったようで、新規事業部リーダーについても異動が検討されることになりました。

 堀井さんにとって、一連の出来事は大変なショックで、原因不明の腹痛や熱が続くようになりました。現在は、休職しながら療養していますが、手続きを確認しようと会社のイントラネットを除くと、役員とAさんの新規企画に関する記事が掲載されているのを見てしまいます。

 その記事では、堀井さんがAさんに話していた新規企画に対する思いがAさんの言葉として掲載されていたそうです。

AさんとBさんが
「フレネミー」と化すまで

 なぜこのようなことが起こったのでしょうか。

 根底にあるのは、堀井さんに対するAさんとBさんの並々ならぬ「嫉妬」だといえます。嫉妬は誰もが持つ自然な感情ですが、身近な人や似たような環境にいる人であればあるほど、その人と比べる意識が働きやすいものです。例えば、同性同士や同年代、ママ友達や兄弟姉妹に対しては、「この人と比べて自分は…」という意識が生じやすいといえます。