塚田国交副大臣辞任で見えた「良い忖度」と「悪い忖度」の違い安部晋三首相と麻生太郎副総理への「忖度」で、塚田一郎国土交通副大臣は辞任した Photo:つのだよしお/アフロ

口は災いの元

 塚田一郎国土交通副大臣が、安部晋三首相と麻生太郎副総理兼財務大臣の意向を「忖度」したとする自身の発言から辞任に至った。

 現在の安倍政権は、閣僚の辞任のたびに浮き足立った第一次安倍政権時の反省を踏まえたものか、閣僚が問題を起こしても引責辞任させない方針を貫いているかに見えたが、今回は塚田氏が辞表を提出した。

 筆者は、「忖度」という言葉を有名にした森友学園問題で明らかな文書改ざんという大問題があったにもかかわらず、財務省の担当大臣である麻生副総理が引責辞任に至らなかったことに大いに驚いた。

 だが塚田氏の場合、国交省の副大臣が首相・副首相の意向で行政を曲げたと解される点がいかにもつたなかったし、時期的に統一地方選への悪影響を意識せざるを得なかったのだろう。副大臣に居座って、国会で追及を浴びると安倍内閣の支持率低下をもたらしただろうし、夏の参議院選挙にまで悪影響が及びかねなかった。