物件価格が資産価値に対して妥当なのかを見極める

 いっぽう、売り急ぎ以外で相場より安すぎる場合は、なかなか買い手がつかず値下げを繰り返している、実は事故物件など「訳あり」の可能性もあります。

 周辺相場を把握するため、不動産会社に聞いたり、日常的に不動産チラシや物件情報サイト(SUUMOやホームズ、アットホームなど)を閲覧しておきましょう。

 もし、物件情報サイトに複数の不動産会社名で掲載されている物件があれば、売主がより良い条件で売りたいと露出を増やしているだけでなく、長期間売れず焦っている、売り急いでいるということも考えられます。

 中古マンションを購入する極意は、「資産価値の高いものをいかに安く買うか」です。

 値引き交渉する際は相場をよく把握したうえで、物件価格が資産価値に対して妥当なのかをしっかりと見極めることが重要です。

 値引きよりも重要なのは、物件の「正しい資産価値」を見極め、その価値の価格以下、もしくは自分の予算内で手に入れることです。

日下部 理絵(くさかべ・りえ)
マンショントレンド評論家・マンション管理士
大学在学中の2001年に実施された第1回マンション管理士・管理業務主任者試験に合格。マンション管理会社勤務を経て、マンションの総合コンサルタント事務所「オフィス・日下部」を設立。女性ならではの視点で、マンション管理組合の相談や顧問業務にあたる。また、数多くの調査を通じて、中古マンションの実態に精通する。テレビ・ラジオなどのメディアや、講演会・セミナーでも活躍中。
主な著書等に、『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)、『負動産マンションを富動産に変えるプロ技』(小学館)、『マンション管理と修繕 最強ガイド2019』(東洋経済新報社)などがある。