文系だから読めないが通用する時代ではなく、「ビジネススキル」としての「数字を読む能力」は求められています。ましてや、経営者は財務戦略を敷くにあたり、「数字が読めない」では、通用しません。新刊『財務諸表は三角でわかる 数字の読めない社長の定番質問に答えた財務の基本と実践』から財務戦略の基本をわかりやすく紹介。先代から事業を引き継いだ2代目社長の質問に答えていく形ですすめます。

(下町工場株式会社2代目社長からの質問)
「出口戦略ですか。考えたこともありませんでした。今年から社長になりましたが、株は親父からまだもらってない気がするんですよね。そもそも代表取締役と株主って何が違うんですか?」

 株主は、会社のオーナーつまり所有者です。代表取締役は、株主から選ばれて会社の経営をしていく人です。

 株式会社の仕組みを簡単に説明します。

 まず、元手となるお金を出してくれる人がいないと商売が始められませんので、「資本金」という元手を出してくれる人が「株主」です。

 株主はお金を出してあげるから、そのお金を元手に儲けて還元してほしいという意図で出資をします。会社が利益を出して純資産が増えたら、会社の価値も上がるので、株主の財産が増えたことになります。

 株主としては、その利益を会社からの配当金でもらったり、先ほどの出口戦略の一つであるIPOやM&Aを目指してもらい、会社の価値を高めて誰かに高く売って儲けようと考えたりします。

 そのためには、優秀な人に運営してもらいたいと思うはずです。このお金を使ってうまく事業を運営していく人が必要となります。その役割を担うのが代表取締役です。株主は取締役を選ぶ権利を持っているので、うまく経営してくれそうな人を取締役に選任します。取締役の中の代表者が代表取締役となり会社を経営していきます。

 中小企業の場合は、優秀な経営者を雇うことが難しいため、株主自身や親族が代表取締役となるオーナー社長が多いのです。

 代表取締役はうまく会社を経営できない場合、株主からクビにされてしまう可能性があります。この2代目社長も会社の価値を落としていますから、株主である先代からクビにされてしまうかもしれませんね。そうなる前に数字を理解して、きちんと利益を出していかなければいけません。