こうした過去の教訓から、増税の前にデフレから脱却して、名目成長率を高くすることが重要になってくる。具体的には、プライマリー収支を改善するために、名目成長率を先進国並みに4~5%にしておく必要がある。ちなみに、1997年に消費税率を3%から5%に引き上げたが、それ以来デフレが続き、税収は97年度の水準を下回っている。

財政再建の必要性が乏しい

 ②について、日本の場合、財政状況は財政当局がいうほど悪くなく、10年くらいで財政再建する必要性はあるが、急に行えばかえって財政再建自体ができなくなる。

 先進国各国の財政状態はどの程度深刻なのかについても、図表3のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の数字が一つの参考になる。これは各国政府が破綻した時に国債の損失をカバーするための保険料ともいえ、その国の国債の危険度に応じた数字になっている。

6・13 国会公聴会<br />私が述べた消費税増税反対の10大理由

 米国0.4%、英国0.7%、ドイツ1.1%、日本1.0%、フランス2.2%、イタリア5.5%である(6月11日現在)。ポルトガル11.0%であるが、ギリシャは100%に近く事実上デフォルトだ。

 これら数字に単純化したイメージを与えるとすれば、米国は200年間、英国は120年間、ドイツ、日本は100年間、フランスは40年間、イタリアは20年間で、ポルトガルは9年間で、それぞれ1回程度のデフォルトということなる。これらの数字を見る限り、日本の財政状態は、日本経済の潜在力や政府資産の大きさなどから、欧州の国ほど深刻でない。欧州で緊縮政策が否定されている中で、日本が増税政策を採るべきではない。