本当に価値がなくなった会社には買い手はつかず、会社は清算される。それを考えれば、JDIは決してグローバルに見て大きな液晶パネル生産企業ではないにもかかわらず、企業の存続に資金を出し、新たな工場を建設するという買い手が現れたということは、JDIの技術や組織の価値が認められたということだ。そこは評価してもよいのではないだろうか。

外資の導入を必ずしも
恐れる必要はない

 第2に、台湾鴻海精密工業によるシャープの買収、中国美的集団による東芝家電部門の買収にしてもそうだが、外資の導入は必ずしも恐れる必要はない。大切なのは企業を消滅させずに、日本の労働者の雇用を守ることである。

 そもそも金融機関などでは、欧米の外資系企業が日本市場に多く参入しているが、それを批判する声は少ない。エレクトロニクス産業における外資導入の共通点は、台湾や中国など東アジア地域の資本に対する懸念であり、それは日本人の東アジア地域に対する差別意識でしかないのかもしれない。

 21世紀のエレクトロニクス産業の特徴はデジタル化であり、デジタル化はものづくりにおける微妙な調整の必要性を減らし、部品と部品の容易な組み合わせによる開発を可能とした。いわゆる「摺り合わせ」から「組み合わせ」への変化である。

 組み合わせによる製品開発はグローバルな技術や部品の流通を促し、かつてのような一国内での垂直統合モデルでは、効率という観点でもスピードという観点でも、追いつけなくなっている。また、今日のものづくりの中心は日本だけでなく、中国、台湾、韓国なども含めた東アジア全域に広がっていることを考えれば、国際的な企業になるということにはグローバルな市場にアクセスしやすくなるというメリットもある。