新人がGW明けに転職、試用期間中の電話で「辞めます」は有効か上司の皆さんは、新人に電話で「辞めます」と言われたことはないだろうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

残業がなく、休みの多さにひかれて甲社に入社したAは、先輩の指導と職場の雰囲気の悪さに幻滅し、退職を考え始めていた。そんな折にゴールデンウィークで実家へ帰省し、サークルの先輩と再会。Aは誘われて休み明けから先輩の会社で働き始める。一方、甲社は連休明け後にAが出社しないため、課長が連絡すると…。(社会保険労務士 木村政美)

<甲社概要>
 中規模の物流会社。従業員数300名。今年事務職として入社した新入社員はAを含む5名で、A以外は全員女性。試用期間は3ヵ月。勤務時間は9時から18時まで。残業はほとんどなく、休日は土、日、祝日の完全週休2日制である。
<登場人物>
A:地元の大学を卒業した後、上京して残業がなく休みが多い条件に引かれて甲社に入社した22歳の新人。5日間の研修後、総務課に配属されたが、上司や先輩の態度に困惑している。
B:総務課の課長でAの上司。40歳。会議や出張が多く、席にほとんどいない。
C:Aが大学時代、同じサークルに属していた先輩。24歳。卒業後は地元の娯楽施設運営会社(乙社)の人事部に勤務。
D社労士:B課長の大学時代の友人。

配属先の重苦しい雰囲気に
新人のAは暗い気分に…

「今日から総務課に配属された新入社員のA君です」

 B課長から紹介されたAは、

「Aです。よろしくお願いします」

 と挨拶し、頭を下げた。ところが、頭を上げて先輩たちを見ると無表情だったり、下を向いていたり…。誰一人、新人Aには関心がなさそうだった。その重苦しい雰囲気にAは暗い気分になった。