日産はルノーとの統合を拒否しつつ
両社関係を安定化できるか

 4月8日に行われた臨時株主総会でも、都内ホテルに定時株主総会の出席を大幅に上回って第4会場まで埋まった株主を前にトップの不祥事をわびた西川廣人社長は「過去から私を含む経営陣にも責任があることはわかっているが、本業である事業の安定化と、ルノーとの関係安定化が果たすべき責務と考えている」と“ゴーン騒動”に対して自らの責任を認めながらも、6月の定時株主総会後の続投に意欲を示した。

 脱ゴーン後の日産の課題は、ルノーのバックにある仏政府のルノー・日産の統合意欲を明確に拒否しつつ、両社の関係の安定化を図ることができるか。その前提として日産の業績回復を早期に実現することにある。

 ルノー側があくまでも経営統合に固執するなら、日産は資本提携を解消するくらいの覚悟で6月の定時株主総会に臨むことも必要になっている。

 実質的にゴーン日産に移行した1999年4月からちょうど20年が経過する中で、スタートの「日産リバイバルプラン(NRP)」の中期3ヵ年経営計画では、国内村山工場の閉鎖や大幅な人員リストラも断行し、コミットメント(目標必達)を打ち出して1年前倒しでV字回復を果たした。

 このNRPの成果が、ゴーン元会長の名経営者としての評価を世界にとどろかせるものになったのだ。そして、ルノー・日産連合の総帥として05年にルノーの社長も兼ねるようになった頃が、ゴーン元会長のピークだった。

 2010年代に入ると、ゴーン元会長のルノー・日産連合の拡大路線は、徐々にコミットメントが未達に終わるケースが増えていった。

 2014年には、フランスの現マクロン大統領が経済産業大臣在任時に「フロランジュ法」を制定して、ルノーによる日産統合への姿勢が鮮明になった。

 このフロランジュ法とは、株式を2年以上持つ株主に2倍の議決権を与えるというもの。これは、ルノーの大株主である仏政府が、ルノーを通して日産の経営に介入することが狙いであったといわれる。

 これに対し、当時は、ゴーン前会長が歯止めとなり仏政府と粘り強い交渉を進めて、15年12月に仏政府とルノーが日産の経営に関与しないことで合意したいきさつがある。