親にカミングアウトして暮らしている人もいますが、あえてそこには触れないまま暮らしている人の方が、僕が会った当事者の中では多かったです。
親子だからといってすべてをあからさまにする必要性を感じない人にとっては、特段カミングアウトをしていない曖昧な状態であることも、幸せな親子関係を構築していくために必要な条件だと言えるのでしょう。
カミングアウトは、
幸せに生きるための選択
カミングアウトすることだけが幸せではないし、しないことだけが幸せではない。カミングアウトするもしないも、そのベースにあるのは当事者が幸せに生きるための選択だということはご理解いただけましたでしょうか。
あなたが、もし家族や友人にカミングアウトされることがあっても、ことさら深刻に捉える必要もないですし、また雰囲気を察してカミングアウトしやすくなるように仕向ける必要もありません。
カミングアウトしたということは、その人が幸せに生きるための選択をしたのだと受け止めてもらえれば充分なのです。
※本稿は、インクルージョン&ダイバーシティマガジン「オリイジン2019」の掲載記事を転載したものです。