相談の内容
「眠れない日は地獄」

 不眠は日によって波がありました。男性は「眠れた日は天国、眠れない日は地獄」だと言います。ある日、仲間とのゴルフの前夜に、興奮して眠れないことがありました。すぐに眠らないと明日のゴルフに差し障る、ライバルとの勝負にも負けてしまうと思うと、ますます寝つけなくなりました。

 翌日のゴルフは寝不足の自分の体調ばかりが気になり、スコアもさんざんで、あまり楽しめませんでした。「同伴した友人たちも、自分のことを変に思ったのではないか?」と思うと、ますますプレーがうまくいかず、情けない気持ちに陥っていきました。

 こんなことではいけない、どうにかして十分な睡眠を取りたいと切望するものの、思うように眠れず、だんだん床に就くのも怖くなってきたとのことでした。こんな状況が続けば、定年後の楽しみであったゴルフも嫌いになってしまいそうだといいます。なお、食欲はあり、抑うつ症状は特に認められませんでした。

中村医師の回答
不眠への恐れは、より良い翌日を願う裏返し

◎無理に眠ろうと努めないでください

 初診時には、上記の症状と経過から「神経質性不眠」と診断しました。不眠症といっても色々なタイプがありますが、この患者さんは、神経質性不眠といわれているタイプ。神経質な方が、眠ろうと焦るとかえって眠れなくなる。眠れなくなることが不安になって、ますます眠ることにとらわれる。

 反対に眠れないことを気にすまいと思うことはさらに逆効果で、ますます焦り、眠れなくなってしまう。このような眠りの負のスパイラルに陥るのが神経質性不眠です。

 このようなタイプの不眠には、「眠る眠らないは成り行きに任せて、無理に8時間眠ることにこだわらず、眠りは与えられたら受け取る」という態度になりきるよう指導することがポイントです。