三井住友銀が撤廃した
30歳と37歳の壁

 数ある人事制度改革の中でも、「よくここまで踏み込んだな」(銀行関係者)と邦銀界を大いにどよめかせているのが、三井住友銀行が進める抜本改革だ。

 2001年の合併以来、最大級だというその改革では、まず、窓口業務や資産運用の応談などを行う一般職を廃止し、総合職に統合する。同時に、定年も60歳から65歳に延長。年齢や性別、立場にかかわらず、能力の高い行員に相応のキャリアパスを用意する。

 目玉は、何といっても総合職の制度改定だろう。

 入行年次とそれまでの実績、能力に応じて行員を振り分ける階層を三つに半減させるという。

 この変更で何が変わるのか。ずばり、最短8年目(30歳)で管理職層(V層)に上がれるようになる。ポストでいえば、リテール専門店の支店長などに就任できる階層だ。旧制度では支店長ポストに就くまで最短でも10年かかっていたから、2年の短縮が可能となる。

 2年といえども侮ってはいけない。銀行員の出世には本来、非常に地道な戦いが強いられるものだからだ。

 年功序列のレールの上で限られたポストを争うレースでは、コツコツと歩を進めることこそが勝ち残る最大にして唯一の方法で、かつては「一度ついた500円の給与の差は、銀行員人生の中では絶対に埋まらない」(メガバンク関係者)といわれたほどである。