つまり、これからは日が経つにつれて景気は悪くなる可能性の方が大きいのです。となると、仮に7月に参院選だけが行なわれて安倍政権がそれを上々の結果で乗り切ったとしても、いずれ景気が悪くなるにつれて「安倍首相で次の衆院選を戦えるのか」という声が自民党内で上がり始めるはずです。

 衆院選が後に控えている限り、とりわけ10月に消費税再増税を予定通り行なって景気が明確に悪化し始めると、安倍政権のレームダック化が始まってしまうのです。

 そう考えると、政権のレームダック化を防ぐためには、まだ景気がそこまで悪くなっていない今のうちに衆院選もやってしまい、安倍首相の自民党総裁の残り任期のうちは国政選挙がない状態にした方がいいはずです。つまり、憲法改正という大目標もさることながら、政権の維持という政治的な合理性の観点からも、衆参W選こそがベストの選択となるわけです。

消費税再増税の延期は
経済政策の観点からも合理的

 ただ、よく言われることとして、衆議院解散を行うには大義名分が必要です(まあ実際には、大義名分などなくても、時の総理が自らにとって有利と思うタイミングで解散すればいいのですが)。

 そして、7月の参院選に合わせて衆議院を解散するとしたら、北方領土を巡るロシアとの交渉は停滞し、北朝鮮問題の短期間での進展も期待できないなかでは、その大義名分は消費税再増税の延期しかありません。

 こう言うと、すぐに「安倍首相はリーマンショック級の出来事がない限り、増税は実行すると断言したけれど、景気はそれほど危機的な状況ではない」といった話になりがちですが、何をもって「リーマンショック級」と考えるかはいくらでも強弁できるので、私はこういう議論はあまり重要ではないと思っています。