りゅうちぇるがテリトリーに入ってくると
アラフォーセンサーが働く

 評論家気質のDさん(37歳男性)はりゅうちぇるを「好きでも嫌いでもない」とした上で、「現代の賢いロッカー」という表現をした。彼の言う“ロック”は「おのれを貫いて既成のものを壊していく」ことを指している。

「ジェンダーに関して葛藤を抱えてきたであろうタレントに対して、諸外国は知らないが日本人は寛容だと思う。無意識的に優越感を持たせてくれるという面もあるかもしれない。とはいえ、基本的には『あの人の複雑なジェンダーを応援したい』という好意的な姿勢を多くの人が持っているように思う。バラエティー番組におけるトランスジェンダーのタレントの需要の多さがそれを物語っている。

 りゅうちぇるはジェンダーレス男子であることを自ら押し出していて、入り口の時点ですでに多数の共感を得ることに成功している。その上で自分の主張を繰り広げているのでさらなる共感・支持を得やすく、応援を自身の糧にして既成概念と対決していっているタレントである。種々のメリットとリスクをすべて推算した上でギリギリのラインを行く立ち回りをしているので、見る人によっては『度が過ぎる』と感じることもあろうが、非常に計算とばくちが上手な人だと思う」(Dさん)

 評論家らしい分析はこれくらいにしておいてもらい、ではアラフォー男性として、同性としてどうか。

「特に共感しているわけではないが、時代のエネルギーの象徴みたいなものだと思うので、これからも動向を見守っていきたい」(Dさん)

 と、あくまで自分は蚊帳の外であるスタンスを崩さない様子であった。

 今回の調査で偏りがあったのかもしれないが、りゅうちぇるに対して積極的な「嫌い」を表明する人がCさん以外にいなかった。参考にしようとネットでりゅうちぇるアンチの意見をいくつか拾ってみたが、発信者が一様に幼く感じたので、りゅうちぇるアンチのボリュームゾーンは若年層になるのかもしれない。

 アラフォー男性にとってのりゅうちぇるは、接点が少ないために「特に好悪はない」となりやすいが、子育てや家族愛といった、アラフォー男性も体験を持つであろうトピックでは支持・応援、ライバル視・敵対視されることもあるようである。