5月15日、3メガバンクグループが2019年3月期決算を発表したが、その中で最下位に沈むみずほフィナンシャルグループは、新たに5ヵ年の経営計画を打ち出した。反転攻勢を急ぐみずほが新計画に描いた、坂井辰史社長の独自色を探る。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)
「細かい数字にこだわる様子は、人によってはマイクロマネジメントだと感じるだろう」――。約8万人の従業員を抱えるみずほフィナンシャルグループ(FG)。この“巨大戦艦”を統べる坂井辰史社長をよく知るあるOBは、こうした表現でその経営スタイルを言い表す。
しかし、昨年の社長就任当初にこうした周囲の人物評を坂井社長本人にぶつけてみたところ、「私自身はビジョナリーだと思っている」と反論。経営トップとして「3~5年後をイメージしてビッグピクチャー(大局)をとらえないと経営できない」という持論を展開した。
そして5月15日、みずほFGはその坂井社長が率いるようになって初となる新たな経営計画を発表した。その中身を見てみると、坂井社長の「ビジョナリー論」を象徴する要素が散りばめられていた。