ニューヨーク州ポートジェファーソン。米中両国が互いに関税を引き上げたことで、誰が関税を支払うのかを巡り、激しい論争が起きている。ドナルド・トランプ米大統領は中国が支払うと主張し、反トランプ派は米国人だと言う。答えはそう簡単ではない。なぜなら、あらゆる税金と同様、関税を支払う人が必ずしも負担する訳ではないからだ。関税が単に輸入業者に転嫁されれば、米国の企業や消費者がそれを負担する。中国の輸出業者が売上高の落ち込みを避けるため値下げすれば、彼らが負担する。輸入が他国に移転すれば、誰も関税を払うことはない――しかしながら、中国は雇用喪失、米国人は価格上昇による重荷を背負うことになる。仮に生産拠点が米国に回帰すれば、米国人が支払った値上がり分の一部は、賃金や利益として他の米国人の手に渡る。