そしてあることに気がつきました。雑談を続けるには「質問をする」ではなく、「質問をされる」ということが重要なのです。

 職業柄インタビューをすることは多いので、質問力は身についています。ところが新たなコミュニティーに溶け込むために必要なのはそれとは逆で、質問してもらわなくてはいけないのです。

 確かに、こちらから質問すると会話は続きます。とはいえ、質問ばかりしていると何か詮索癖があるようにも思われてしまいます。だからといって、黙っていたら会話は成り立ちません。ですから、質問をされることで会話を成り立たせることが大切になるわけです。

 では、どうしたら質問をしてもらえるのでしょうか?それは、質問してもらえる隙をあえて作ることと、質問されるきっかけを与えることだと考えています。そしてもちろん、面白いと思ってもらえる答えと、その先の展開力です。

自分を売り込むための
マーケティングを心がけよう

 私の場合は幸いにして、相手が質問したくなるネタは豊富でした。一番よく聞かれる話題はテレビ出演の経験です。「テレビに出るってどんな気分ですか?」は高頻度で聞かれる話題です。

 経験上、ここからはどうとでも話を広げることができるので、いくつかのストーリーを用意しておきます。もちろん、上から目線で威張っている、得意になっていると思われたらそこで終わりです。どちらかというと失敗談が喜ばれます。

 まずはポジティブな楽しい話をして、その後に「でもこんな苦労もあって」という話題を入れ、「実はこんな大失敗をしてしまったことがあります」「わあ、それは大変でしたね」「さすがにこれに懲りて今は気をつけています」といった流れです。

 NHKの屋舎の中はまるで迷路のように複雑なのですが、方向音痴の私はよく迷いました。オンエアー寸前にトイレに行きたくなり、近くにあるはずなのになぜか見つからず、遠くまで探す羽目になりました。何とかトイレに行けたものの、今度は帰れなくなりました。

 廊下ですれ違ったスタッフに「私のスタジオどこですか?」と聞くのですが、当然わかりません。大汗かきながらオンエアーのギリギリの時間に帰ってきたのですが、それ以来、オンエアーの直前にスタジオを離れることは避けるようになりました。おかげで、トイレを我慢するのが上手くなりました。例えば、こんな話です。

 何でもそうだと思いますが、一方通行の話は飽きられます。成功だけ、失敗だけではオチがありません。山→谷→山、あるいは谷→山→谷→山のようにメリハリのある話が喜ばれるものです。おわかりの通り、いずれにしても最後は山で締めます。