2000年代に受注したものではアルジェリアの高速道路(鹿島)、新ドーハ国際空港(大成)、ドバイメトロ(大林組)などが赤字工事で有名だ。

 ODA(政府開発援助)や円借款など日本政府が資金をコントロールする体制ならば、工事代金の回収が確実になる。清水はこうした政府と一体となる案件を中心に、海外拡大を慎重に進めるようだ。

 ただ、ODAに頼るばかりでは、結局は頭打ちである。

 好調で体力のある今のうちにと、海外企業のM&Aに乗り出す流れが大手に限らず広がっている。過去に日系との仕事で実績があった海外の建設会社を一部出資などで施工パートナーとし、海外での開発事業を育てていこうというもの。例えば米国市場は従来、日系企業の工場を手掛けることが多かったが、今後は現地企業の建物やインフラ更新を狙って土木系の会社を買う動きが強まりそうだ。

 過去の日本勢の失敗を糧にして好調なうちに新たな柱の創出に投資して仕掛けられるか。将来に食いぶちを持つ者、持たぬ者はここでシビアに分かれていくだろう。