中国工場暗礁で
ハーベスト離脱か
再び支援先探し

 JDIがSUWAと基本合意した最大800億円の金融支援の内訳は、TPKが251億円、ハーベストが207億円、富邦グループが142億円で、追加出資分として200億円はハーベストが引き受けることになっている。

「もう中国は無理なんじゃないか」。すでにJDI内部ではハーベストの資金を諦めて、別の出資者を探す動きが始まった。

 月崎義幸社長は決算発表翌日の5月16日に台湾に出張し、取引先の台湾の受託製造会社で一通り取引の話をした後、出資を打診した。

 この他にも、カタール王族系の投資ファンド、台湾の部品メーカーなどに資金支援の要請を始めたもようだ。内幕をのぞけば、身売り決定で経営危機を乗り越えたとは到底いえない現実が横たわる。

台湾経済界で話題のJDI支援
テリー・ゴウも関心か

「あの男は信用できないな。やつがいる限り、私は出ていかないよ」

 台湾台北市のある会合で、台湾で最も有名な男がジャパンディスプレイ(JDI)の身売り交渉についての話を振った。男の名前は郭台銘(テリー・ゴウ)。シャープを傘下に入れた鴻海(ホンハイ)グループの総裁である。

 台湾総統選挙に国民党からの出馬を目指して経営から距離を置いていると伝えられるが、いまだ業界の動向に目を光らせている。同業の日の丸液晶JDIが苦境に陥っていることに郭氏は関心を寄せていた。

 郭氏が呼ぶところの「あの男」とは、台湾・中国企業連合「SUWAコンソーシアム」のまとめ役のウィンストン・リー氏だ。

 台湾経済界は狭い。エレクトロニクスかいわいをうろつく金融マンのリー氏を、郭氏はよく知っているようだ。冗談とも本気とも取れる「信用できない」という一言でウィンストン氏を評す郭氏は、TPKと富邦グループという台湾経済界を代表するメンバーで構成するSUWAの動きをよく読んでいた。