将来が予測不能な時代は
予期せぬ機会に投資せよ

「プランドハプンスタンス」とは、米スタンフォード大学のJ.D.クランボルツ教授が提唱したキャリア理論で、意図された偶然、あるいは計画された偶発性と訳されます。キャリアは偶然の出来事に対し最善の対応を積み重ねることで形成されるので、偶然を計画的に設計していこうという考えです。

 今のように将来の見通しが立ちにくい時代には、綿密にキャリアプランを作るよりも、プランドハプンスタンスでいくほうが相性はいいと思います。私自身の経験でも、人や物事との偶然の出会いが意思決定に大きな影響を与えています。

 そもそも起業したのもリクルートの現役カウンセラーの人たちと飲んでいた時に、「丸山さん、起業するなら私もお金を出すよ。自分たちはもうすぐ定年でお役御免になるけど、その後も仕事をしたいし」と言ってもらい、その人たちと一緒に会社を作ったのが始まりでした。他にも遊びで出会った人から大きなビジネスにつながったり、逆にビジネスでつながった人が大事な遊び友達になったり。

 将来のキャリアが不安だからといって、やみくもに資格取得などをする人がいますが、今は単純明快な正解がない時代です。短期的な成果を求めてあくせく行動するよりも、好奇心を発揮してさまざまな出会いを作り、人的なつながりを広げ、発展させていくことが重要です。

 将来を不安がって身構えるより、予測できない状況を楽しみ、予期せぬ新しい機会の創出に自分のエネルギーを投入するようなスタンスでいるのがよいのではないでしょうか。

(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)