好きが見つかるきっかけは、どこにあるか分からない

 たまたま先輩に誘われてディスコのパーティーを手伝ったという些細な出来事から会社の設立に関わり、サークルの延長のようなノリとはいえ仕事を請け負う体験もできました。

 もし、誘いに乗らなければ、学生時代の社会との接点は、おそらく時給換算のバイトぐらいで、こんなダイナミックな経験はできなかったのではないかと思います。

 また、イベントを企画するのはとても面白く、ときに大変なこともありましたが、それでも自分は「こういうのが好きなんだなぁ」と、自分自身のことなのに、やってみて改めて自覚した、という感じでした。

 つくづく、「好き」が見つかるきっかけは、どこに転がっているか分からないなと思います。

 しかも私の場合、この経験が、後に新卒でミスミに入社するきっかけにまでなりました。

 「新規事業のプロ」として働く人生につながる転機が、学生時代のディスコのパーティーにあったのです。

 縁というのは、不思議なものです。

 【二歩目】誘いに乗っただけの一歩も、新しい一歩。

守屋 実(もりや・みのる)
1969年生まれ。明治学院大学卒。1992年にミスミ(現ミスミグループ本社)に入社後、新市場開発室で新規事業の開発に従事。メディカル、フード、オフィスの3分野への参入を提案後、自らは、メディカル事業の立上げに従事。2002年に新規事業の専門会社、エムアウトをミスミ創業オーナーの田口弘氏とともに創業、複数の事業の立上げおよび売却を実施。2010年に守屋実事務所を設立。設立前および設立間もないベンチャーを主な対象に、新規事業創出の専門家として活動。自ら投資を実行、役員に就任、事業責任を負うスタイルを基本とする。2018年4月に介護業界に特化したマッチングプラットホームのブティックスを、5月に印刷・物流・広告のシェアリングプラットホームのラクスルを2社連続で上場に導く。