これまで50の新規事業(企業内起業17回、独立起業19回、週末起業14回)に携わってきた守屋実さんの初の著書『新しい一歩を踏み出そう!』が5月15日にダイヤモンド社から発刊されました。守屋さんは、大学在学中から現在に至るまで、一貫して新しい事業だけをやり続けてきたという稀有なキャリアの持ち主。守屋さんの実績を表す一端といえるのが、創業に参画した2社が昨年上場したこと。2018年4月に介護業界に特化したマッチングプラットホームのブティックスを、5月に印刷・物流・広告のシェアリングプラットホームのラクスルを2社連続で上場に導く。本連載は、守屋さんのこれまでの様々な経験を踏まえ、主に若手ビジネスパーソンに向けて「仕事のプロ」になるための具体的な方法を伝授していきます。

人の誘いには乗ってみる。それが新しい道を拓くきっかけになる

 

いただいたご縁を活かすことで、無理なく、新しい一歩を踏み出せる

 たまたま人から誘われて何かのイベントや講習会などに参加して、「楽しかったなぁ」と思うことってありますよね。

 そんなちょっとしたことから、自分の「好き」や「得意」にふと気づくことがあります。だから、人からの誘いに少しでも興味を持ったのであれば、何はさておき「乗っかってみる」という姿勢をとってみてはいかがでしょうか

 自ら機会を探し、「未知」を切り拓き続けることは大変です。

 そこで、いただいたご縁を活かすことで、無理なく、新しい一歩を踏み出し続けられるようにしよう、という提案です。

 たとえば、私が過去に「乗っかった誘い」に、こんな話があります。

 私は、大学時代、19歳のときに、先輩の起業話に誘われて一緒に会社をやることになりました。

 といっても、「世のため人のため」といったような大きな志があったわけではありません。時代は、バブル真っただ中。企業と学生がコラボレーションする機会が多く、そこで大きなお金が動くにあたって、会社というカタチを作っておくことが必要だったからです。

 当時、女性はワンレングス、ボディコンシャス、ハイヒールという格好で、ディスコのお立ち台の上で踊るのが流行っていました。

 多くの大学のサークルでも、ディスコを借り切って「新歓パーティー」を開いて盛り上がるのがカッコいい時代でした。

 そのパーティーは、「新歓」というくらいですから、開かれるのは4月半ばから5月半ばくらいの時期です。週末土日の昼から夕方にかけての時間帯が通例でした。

 大学生からすると平日は大学の授業があり、お店からすると夜は通常の営業があるので、自ずとパーティーのタイミングが限られていたのだと思います。

 当時は、このタイミングで都内中のディスコをいっぺんに押さえることができる「利権」のようなものが存在していて、このとき、お世話になっていた前述の先輩が、その利権保有者の一人だったのです。

 その流れの中で、私もパーティー主宰者の一人として混ぜてもらったのです。