僕は、公務員の人事評価にいわゆる相対評価を導入して、一定の割合で必ず落第点を付けることを義務付け、そして最低評価を2年連続とったらクビという案を作りました。こんな案を府庁職員自身が作るわけがありませんから、外部の識者の力を借りながら、大阪維新の会という政治集団で案をまとめました。

 総務部長の小西さんは猛反対。府庁組織の代弁者として「こんなことをしたら、組織は回らない」と主張しました。小西さん以下、職員たちもみな猛反対です。そこで僕が力尽くで「知事である俺がやれと言ったら、やれ」などと怒鳴っても、反対する組織を動かすことなどできません。

 大阪府議会の野党も府庁とタッグを組んで僕の案に猛反対でした。野党は議会で、総務部長の小西さんに「こんな案で大丈夫なのか」といった質問をしました。僕は小西さんに「知事である僕と違う考えを言ってもいい」と言いました。国政で言うと、府庁の総務部長は大臣です。知事の方針と異なることを総務部長が議会で答弁することなど本来ありえません。そんなことをしたら国会なら「閣内不一致だ!」と野党から追及されるような話で、それは地方議会でも同じことです。

 しかし、政治家である僕の立場と小西さんの役人の立場は違うわけですから、役人も自分たちの意見をしっかり言えるようにしました。

 小西さんに「役所には役所なりの考えがあるでしょうから、それを言っていいですよ」と言うと、小西さん率いる総務部が総力挙げて維新の会の職員基本条例案の問題点を指摘する資料を作り、議会で徹底的に主張しました。府庁と野党がタッグを組んで、知事である僕が率いる大阪維新の会の案を叩きつぶしにきたのです。

 維新の会も負けてはいません。維新の会と府庁がガチンコで大激論です。僕は両方のトップなので、その議論の様子を観ていました。議場以外でも「大阪府庁総務部」vs「維新の会」の公開討論会をやりましたが、僕は隅っこのほうでそれを観ていました。

 組織が猛反対する案については、組織に言いたいことを思う存分言わせる。このマネジメントが重要です。