ジョコ・ウィ政権は2014年10月に発足したが、その後の平均成長率は5%程度で推移している。昨年の経済成長率はプラス5.2%と政権発足後最も高い伸びとなるなど、堅調な景気拡大を実現したことが追い風になったとみられる。

イスラム教右派が台頭

 一方、今回の選挙では「宗教」も重要な鍵を握る要因となったことに注意する必要がある。上述のように、ここ数年のジョコ・ウィ政権下のインドネシアは堅調な景気拡大を実現してきたが、政治情勢は深刻な腐敗が続いている上、経済格差も拡大する中、同国ではその不満の「受け皿」として宗教右派(イスラム教右派)が台頭する動きがみられる。

 17年に行われた首都ジャカルタ州知事選挙では、ジョコ・ウィ氏の「腹心」であった候補(バスキ・チャハヤ・プルナマ氏〈通称「アホック」〉:華僑系出身、キリスト教徒)が、演説の中でイスラム教の経典(コーラン)を侮辱したとして強烈な抗議を受けて敗北し、その後は宗教冒とく罪で起訴され、実刑判決を受ける事態となった。

 同国の大統領選では副大統領候補とタッグを組んで選挙戦に臨むが、現職のユスフ・カラ氏はユドヨノ前政権1期目に同職を務めたために憲法規定上選挙に臨むことはできないため、結果的にジョコ・ウィ陣営は同国最大のイスラム穏健派組織であるウラマー評議会のマアルフ・アミン議長を副大統領候補に擁立した。