昨年10月には、投資家は国債利回り上昇が株の逆風になると懸念していた。だが今年1月になると、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ方針から転換したことを受け、利回り低下が株の追い風になると考えた。現在、株式投資家は世界的な国債利回り低下に動揺し、ウォール街ではあらためて景気後退がささやかれている。何が起きているのか。2016年も今と状況が似ており、懸念の多くが中国関連だった。だが深く掘り下げれば、足元では何か違うことが進行している。強まっているのはトラブルが差し迫っているという感触ではない。中央銀行には経済成長やインフレを喚起する力がないかもしれず、延々と続く下方シフトが世界の新しい形だという認識だ。
国債利回り低下、2016年になかった危険とは
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