食事に関するガイドラインはよく変わるが、「塩分摂取量の制限」は科学の進歩にあらがっている。米医学アカデミーは最近、1日のナトリウム摂取量を2300ミリグラム(食塩で小さじ一杯程度)に制限するガイドラインを再確認した。循環器疾患のリスクがある人は1日1500ミリグラムだ。医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)に先週掲載された記事もこのガイドラインを支持し、米品医薬品局(FDA)に対して150の食品カテゴリーにナトリウム摂取量の自主制限を課すよう呼びかけた。こうしたガイドラインは科学の発展を無視するものであり、健康に害を及ぼす可能性もある。われわれは今年3月、世界100万人以上のナトリウム摂取量に関する約60年の研究をまとめる記事を医学誌ランセットに出した。われわれが発見したナトリウム摂取量の「スイートスポット」、つまり疾患リスクが最も低く、平均余命が最も長くなる摂取量は1日3000~5000ミリグラムだ。通常のガイドラインよりかなり多い。ナトリウム摂取量が1日3200ミリグラムを下回ると全死因死亡率が高まり、平均余命が劇的に縮まる。
【寄稿】塩分の摂りすぎ? それは本当か
平均余命が最も長くなる摂取量は1日3000~5000ミリグラム
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