しかし、座ったときにはそうはいかない。シャツはめくれるし、だらしなく足を開いていることもある。この前、4時間にも及んだ仕事の飲み会の帰り道で社会の窓が開いていることに気がついた。いったいいつから開いていたのだろうか。トイレに行った時に閉め忘れたのか、それともはじめからずっと開いていたのか。考えただけで恐ろしい。

 また、現在、フリーランスとして働く筆者と違って、普段からスーツを着ている職業の人は、シャツをズボンに入れるスタイルが普通である。その場合は、社会の窓が開いていると、露骨に目立つから大変だ。「社会の窓を開けて通気性をよくした、新しい時代のクールビズ」なんて言い逃れもできないだろう。

相手を傷つけずに指摘する方法は?

 さて、社会の窓が開いている人を見かけた場合、どうすればいいのだろうか。通勤路などですれ違った人なら、スルーするのが普通だと思う。赤の他人に声をかけて指摘するのは、心理的なハードルがあるからだ。しかし、筆者は飲み会の場で社会の窓が開いていたのにもかかわらず、誰も注意してくれなかった。相手との関係性にもよるが、社会の窓が開いていることを指摘することにより、筆者が恥ずかしい思いをするのではないか、と気を使ってくれたのかもしれない。確かに、みんなの前で指摘されるのは恥ずかしい。せめてこっそり教えてほしいものだが、それでもその相手との間には気まずさが残ってしまう。

 だが、難しいのは開いたままでいることも、同じように恥ずかしいということだ。たとえば、これが上司と部下の関係だった場合、営業先に向かおうとする部下の社会の窓が開いていれば、上司は注意するかもしれない。営業先の人に部下のだらしない姿を見せたくないし、なによりも恥をかくのは部下本人だからである。上司としては、スルーせずに指摘するのが業務の一環だともいえる(その後、トイレで閉め忘れたら元も子もないが)。

 親しい友人の場合はどうだろうか。これも難しい問題だ。事なかれ主義の筆者なら、「どうせトイレに行けば気づくのだから」とスルーしてしまうことが多いように思う。しかし、本当の友達なら、しっかり指摘してあげるのが友情の示し方だとも考えることができる。

 社会の窓が開いているのが、男性ではなく女性だった場合……、など考えればキリがないほど、この問題は語り尽くせない部分がある。相手を傷つけずに、指摘するすべはないのだろうか。「今日はずいぶん涼しそうだね」とか、「開放感があるファッションだね」とか、いろいろ考えてみたものの、これといった正解にまだたどり着けずにいる。読者の方も、ぜひ相手に対してうまく気づかせる方法を一緒に考えていただきたい。