女性用トイレに比べると、男性用トイレの擬音機設置率は低いようです。
TOTOの「音姫」をはじめとする、排泄音を消す擬音機。男性の利用率は女性に比べて低いが、それでもトイレ清掃員曰く「男性の利用者も増えてきた」そうだ  Photo:PIXTA

最初に、本文中には不快・グロテスクな表現が含まれていることをお断りしておく。さて、男女問わず、他人の排泄の音を聞きたがる人はそうはいないはずだ。こうしたトイレ内の音対策に最も効果的なのが、TOTOの「音姫」をはじめとした擬音機の使用だ。にもかかわらず、女性用に比べ男性用トイレには擬音機が設置されていないことが多い。擬音機の普及の現状について見ていこう。(清談社 岡田光雄)

女性用にはあって
男性用トイレにはない

 ある人気ラーメン店での一コマを紹介したい。その日は20分ほど行列に並び、ようやく順番が回ってきた。通された席はカウンターの端で、1メートルほど先に男女兼用のトイレが設置されていた。

 ほどなくしてラーメンが届き、筆者は至福の時間を味わっていた。しかし、しばらくすると中年男性客がトイレに入っていき、ドアの向こうで激しい下痢の排泄音が鳴り響いた。筆者は食べかけのラーメンの前に箸を置き、そのまま店をあとにしたことは言うまでもない。

 飲食店以外にも美容院、歯医者などいたるところでこうしたシチュエーションが生まれており、うんざりしている人も多いだろう。実際、2014年に大手トイレメーカーのTOTOが1000人の男女を対象に行った調査「外出先のトイレに関するアンケート」(複数回答可)でもそれは明らかで、「外出先でトイレを利用する時、どんな音が気になりますか?」という質問に対し、「自分の排泄音(65%)」「他人の排泄音(35%)」をはじめ、全体の75%の人が何らかの「音」を気にしているという回答だった。

 しかし、擬音機が設置されていない施設や店舗はごまんとあり、特に男性用トイレで見かける機会はほとんどない。

 同調査によれば全体の25%(250人)はトイレ内の音は気にならないと回答しているが、そのうち191人は男性だった。さらに同年、TOTOが140人を対象に行った別の調査では、「音姫を使ったことがある」と回答した女性は91%だったのに対し、男性はわずか19%だったという。

 なぜ、擬音機の使用にあたって、これほどまでに男女差が出るのだろうか。