経営×経理

「個」の潜在能力を
引き出すスキルが大切

 前述のように、研修テーマが何か非常に絞りにくい昨今ではありますが、今後、経理という仕事を取り巻く環境を鑑みる中で、筆者が経理パーソンに必要だと思えるスキルがあります。

 その1つに、自身で思考しながら実行できることがあると考えます。よって、研修テーマとして強いてお勧めするなら、「問題解決力」「俯瞰力」あたりでしょう。自身が置かれている内部環境のみならず、広い社会の環境変化を見通しながら、誰からの指示も待つことなく、何をすればいいか選択して、実践する。かなりシンプルですが、こうした個としてしっかり動けるスキルを身につけることで、あらゆる変動に対応できる人材になり得るはずです。

 よって、自社のカルチャーが、これまで受け身の体勢で研修を受けていたようなものであれば、早急にメスを入れるべきでしょう。本稿をお読みの方は、マネジャークラスのみならず、スタッフクラスの方でも、現時点でご自身、あるいは部下や上司がどのような知識・スキルを体得する必要があるのか、たとえわずかでも時間を割いて思考してみてください。

 そして、よい考えが浮かんできたのであれば、研修企画書をつくる、これまでの研修システムの改善案を考えるなど、具体的な行動をとってみましょう。

 あなたが口火を切ることで、経理パーソンに役立つ、機能性の高い研修システム構築への道が開かれるはずです。  

(ビジネス作家・経理環境改善コンサルタント 田村夕美子)

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大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道

経理スタッフは「定型的な事務作業をこなす人材」と捉えられがち。彼ら彼女へ向けられる仕事の効率化と言えば、“仕訳の自動化”“仕事を属人化させない”といった、表面上の作業の改善を求めるものばかりだ。しかし、本来は経理=経営管理者なのだ。経理の能力を伸ばし、経営のために力を借りるにはどうしたらよいのか。様々な業種の経理畑を歩み、一担当者から管理職まで様々な立場を経験した著者が、経理環境改善のコンサルタントとして、実務者・管理者への支援活動に当たる中で感じたことをまとめる。

「大人しい経理じゃいられない! 未来に続く経理道」

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