暗号資産関連ビジネスの拡大は
世界的に今後も続く

 暗号資産は、個人向けの活用事例だけでなく、ビジネス領域の応用事例も増えている。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社であるICE(インターコンチネンタル・エクスチェンジ)が2018年に立ち上げたプロジェクト「Bakkt(バックト)」は、暗号資産を含むデジタルアセットの取引プラットフォームを立ち上げようとする野心的取り組みだ。すでに、マイクロソフト、ボストン・コンサルティング・グループ、スターバックスなどがBakktへの関与を表明している。

 アセットクラスとしての暗号資産投資への関心は、海外の機関投資家では特に高まっており、Bakktは、そうした流れへの対応と言える。また、スターバックスのBakktへの参加は、日常的な小口決済に暗号資産やデジタルアセットが活用される日が、そう遠くないことを予感させる。Bakktは今年(2019年)7月、ビットコイン先物のカストディ・取引業務のテストの実施を予定しており、結果に注目したい。

 世界最大の資産運用会社であるフィデリティは、デジタル資産のセキュリティー・保管サービス、取引執行などを目的に、フィデリティ・デジタル・アセット(FDAS)を開始している。公表資料によると、「あらゆる資産がトークン化され、ブロックチェーンに記録される世界が間もなくやってくる」ことから、フィデリティとしても将来的なデジタル資産の総合的な投資プラットフォームの提供に向けて、まずはビットコインのカストディサービスを立ち上げる計画としている。FDASの開始は、フィデリティのクライアントである機関投資家による暗号資産投資への関心が高いことを示唆している。

 GAFAの1つであるフェイスブックは、暗号資産への取り組みを強化している。同社は、英国のブロックチェーン・ベンチャーを買収し、ブロックチェーン関連の人材を積極的に採用している。いくつかのメディアは、フェイスブックが同社子会社で世界最大のメッセンジャーアプリであるワッツアップ(WhatsApp)上で利用できる独自の暗号資産を準備していると報じている。

 こうした事例は、いずれも日本国外のもので、日本にいる我々は実感しにくいかもしれない。しかしビジネスプレイヤーは、暗号資産を包摂する方向に動いており、足元でのビットコイン価格の上昇は、こうした動きを反映している可能性もある。