政府の携帯料金値下げ圧力で5年ぶり営業減益に陥るNTTドコモ。値下げの影響だけでなく、「5G」の先行投資の負担も重い。高収益だった通信事業が曲がり角を迎える中、来期の復活は望めるか。(ダイヤモンド編集部 村井令二)
NTTドコモは6月1日に通信料金を最大4割値下げする新たな料金プランの提供を開始、携帯電話料金の値下げ競争の号砲が鳴った。
ドコモの新料金体系は値下げを迫る政府の圧力に応じたもので、携帯電話の通信料金と端末代金を分離し、「ギガホ」「ギガライト」という二つの料金プランで通信料金部分を引き下げた。一方で、スマートフォンの販売時に提供していた「月々サポート」という購入補助を廃止したため、端末代金は上昇することになった。
ドコモの業績への影響は、通信料金の値下げはマイナスに、端末購入補助金の廃止はプラスに働く。差し引きして、2019年度の連結営業利益は前年度比18%減の8300億円となり、5年ぶりに営業減益になる見通しだ(図1)。