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市内中心部への乗り入れ車両に
超低公害車限定の規制

 大気汚染は世界中の都市にとって重要な問題だが、とくに歴史的建造物を多く抱えるヨーロッパの都市は、酸性雨で建物が黒ずむなど、深刻な問題を抱えている。

 この問題に対し、多くの都市が曜日ごとのクルマの市街地乗り入れ禁止などさまざまな策をとってきたが、ロンドンは世界初の「24時間毎日、市内中心部への乗り入れ車両に超低公害車限定の規制を行う」という大胆な条例を発表した。当面はセントラル・ロンドンと呼ばれる市の中心部が対象だが、2021年10月には規制対象が広がる予定だ。

 この超低排出ゾーン規制はウルトラ・ロー・エミッション・ゾーン(ULEZ)と呼ばれ、ガソリン乗用車の場合はユーロ4を満たしていないモデル、ディーゼル車の場合はユーロ6を満たしていないモデルに通行税を支払う義務が生じる。

 今年4月8日に施行された新条例によると、市の中心部を超低公害車の規定を満たしていない車両で通行する場合、普通乗用車やバイク、バンなどは一日当たりおよそ1800円、トラック、バスだと1万5000円程度が課税される。このエリアはすでに“渋滞防止策”として日中(平日)の乗り入れ車両に対し渋滞税を課するゾーンと重なっており、課税対象のクルマの市街地への乗り入れは非常に負担が大きくなる。