総合病院で2000人のリハビリに関わってきた理学療法士が、ストレッチよりはるかに簡単なのに、驚くほど効果のある奇跡の「うつぶせ」療法を紹介します。
たった1分の「うつぶせ」を習慣にするだけで、猫背、腰痛、肩こり、首の痛み、不眠、疲労、冷えといった体の不調が改善し、高齢者には誤嚥予防にもなります。
「うつぶせになるだけで、本当にそんなに効果があるの?」
と思うでしょうが、どうしてそんなに効果があるのか、その納得の理由を『うつぶせ1分で健康になる』から一部抜粋し、再構成して紹介します。(初出:2019年7月20日)
全身がゆるみ、
筋肉の緊張が取れる
理学療法士、ピラティスインストラクター
関西医療学園専門学校理学療法学科卒業。理学療法士資格を取得後、医療法人宝生会PL病院リハビリテーション科に勤務し、16年間でリハビリに関わった患者は2000人を超える。整形外科疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患、心疾患などあらゆる患者のリハビリに携わる。同時に訪問リハビリや学会発表、論文執筆、講演や理学療法士養成校の非常勤講師など精力的に活動し、2012年には畿央大学大学院健康科学研究科にて修士号(健康科学)を取得。ピラティスインストラクター資格を取得後、2017年4月に独立して予防医学サロン&ピラティススタジオ「リハティスプラス」を開き、地域の予防事業や全国各地で研修会やセミナーの講師を務める。
「仕事と育児に追われ、慢性的な疲れによる倦怠感に悩まされていましたが、うつぶせを毎日行ったところ、驚くほど体がラクになりました。
どうしても体がつらい時などは、日中、空いた時間にもこまめにうつぶせになるようにしています。
すると、体がリフレッシュされて、その後の家事や仕事がはかどります」
【30代・女性】
以上は、うつぶせを実践するようになった方からお寄せいただいた感想です。
また、うつぶせになってみて、「なんだか気持ちいいです…」と言われる人も多く、「あまりに気持ちいいので、1分と言わず、しばらくそのままでいてしまいました」と言う声もよく聞きます。
うつぶせになると股関節が伸びるので、全身の血流がよくなります。
血流がよくなると眠りの質も上がりますし、深い呼吸をすることで体内に酸素がたくさん入り、同時に老廃物の排出もより進みます。
体に入れるほうばかりについ意識が向きがちですが、老廃物をしっかり出してデトックスすることが、疲れを取るには非常に大切です。
意外に思われるかもしれませんが、呼吸生理学的に言えば、座り姿勢が一番呼吸が深くなると言われています。
その次がうつぶせで、仰向けが一番呼吸が浅くなります。
ただし、それは正しい姿勢で座っている時だけですし、呼吸の肺活量だけで見た場合です。
いくらいい姿勢を意識しても、実際は正しい姿勢で座ることのできている人はほとんどいません。
座り姿勢は骨盤が若干うしろに傾き、そのために常にストレスがかかっている状態なので、自分で思っている以上に体は緊張しているのです。