貿易摩擦による中国経済への打撃が直近のデータで露呈したが、これは一段と深刻な景気低迷という症状の一つにすぎない。つまり、中国の国家主導による成長モデルが失速しつつあるということだ。景気後退(リセッション)や危機が差し迫っている訳ではないにしても、長期的な影響は深刻だ。中国は方向性を変えない限り、決して豊かになれないかもしれない。4-6月期(第2四半期)の中国国内総生産(GDP)は6.2%増と、伸びは約30年ぶりの水準に落ち込んだ。中国の経済指標がインフレや為替、購買力をどのように調整しているかもにもよるが、1人当たりの年間GDPが1万4000~1万8000ドル(約150万~190万円)の中所得国にとっては、まだかなり良い水準にある。また、中国のGDPは主要国の間でも最も高い。
中国の国家主導成長モデル、息切れ鮮明に
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