だが、タクシー業界は今やドライバー不足が慢性化しており、悩みの種となっている。今回のZMPの発表会見に出席した富田和孝日の丸交通社長も「日本のタクシー業界の課題は、深刻化する人手不足と自動運転への取り組み、ライドシェアの解禁だ」と訴えた。

 富田日の丸交通社長によると、ドライバー不足により都内の法人タクシーの稼働率は76%にとどまっており、その背景にはタクシードライバーの高齢化がある。実際、49.9%と約半分が60歳以上だという。このため、今後は自動運転タクシーの活用による有人・無人タクシーのプラットフォームの最適化とタクシーサービスの多様化が、MaaSへの対応面で重要であると強調する。

 今回の実証実験には、日の丸交通とともに日本最大規模のグループ売上高を誇る日本交通も参画している。日本交通の川鍋一朗社長はタクシー業界の全国団体である全タク連の会長も務めているだけに、タクシー業界全体が「日本版MaaSに乗り遅れてはならない」という危機感の強い表れでもあろう。

中国バス車両メーカーのANKAIとの
戦略的提携も発表

 またZMPは、中国バス車両メーカーのANKAIと戦略的提携を結んだことも発表。中国・ANKAIはすでにEVバスの開発に着手しており、両社の提携により、輸送サービスの自動運転・MaaSのサービス開発のプラットフォーム・ロボカーとしての自動運転バスの提供が可能となった。

 ZMPの谷口社長は、公共交通のスキマを埋め、ヒトとモノの移動を最適化するMaaS実現へ自動運転タクシー・バスの量産化を図る時期がきたとする。都市部のプロジェクトとともに、地方部の相乗りタクシーもロボカーの活用へ。2021年の商用化を目指す考えだ。

 トヨタ自動車をはじめ、自動車メーカー各社が自動運転などCASEへの取り組みをスピードアップさせる中で、ロボットベンチャーのZMPが独自の展開を示し日本版MaaSへ果敢にチャレンジしていく動きに注目したい。

(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)