豊田章男氏
豊田章男氏(2019年5月8日決算発表会見にて) Photo:JIJI

豊田章男自工会会長が
“日本自動車株式会社”を強調

 自動車各社の2019年3月期の連結業績が出そろうタイミングで、日本自動車工業会の定時総会が5月13日に開催された。その会長会見と総会後の懇親会で、豊田章男自工会会長(トヨタ自動車社長)が“日本自動車株式会社”を強調する発言をしたことが注目された。

 日本自動車工業会(自工会)といえば、日本の自動車産業の「総本山」である。「すそ野」が広い自動車業界にあってピラミッド構造の頂点にある自工会の会長職は、トヨタ・日産・ホンダのトップが持ち回りとなっており、豊田章男トヨタ社長は、今回2度目の“お務め”となっている。

 折しも平成から令和へと元号が変わる中で、豊田自工会会長は「日本という国を強くするためのお役に立てるよう“日本自動車株式会社”が世界をリードすべくホームプラネットへの思いを持ってやっていく」とオールジャパンとして世界に向き合い、自動車業界のフロントランナーを担う決意を表明した。

 トヨタ自動車の社長であり、自工会会長を務める豊田章男氏にとってこの「100年に1度の大変革期」を迎え、自動車産業はモビリティ産業へとすそ野が広がり、グローバル経済もますます進んでいる。その一方で、国策としての戦略産業の重要性も高まっている。こうした流れの中で“日本自動車株式会社”の捉え方が必要との考えを強めているのだ。

 その理由は明白で、昨今の米中貿易戦争による報復関税合戦に象徴されるように、国策としてモビリティ産業の攻防が進んでいく中で、日本自動車業界を取り巻く環境整備の遅れに危機感を強めているからだ。また、IT業界やAIとの連携も含め「競い合いながら力を合わせていくことがCASEやMaaSの新時代対応に結びつく」とし、「新世代技術もグローバルに普及させることでホームプラネットを守りたい」と持論を述べる。

 だが、豊田章男氏の“強い日本自動車株式会社”への決意とは裏腹に、自動車メーカー各社の連結業績の現状をみると、トヨタ以外は厳しい流れにある。