職人や技術者などの人手不足は、バブル崩壊後に続いた建設不況と08年のリーマンショックの際に人員削減をした付けが回ってきたところが少なくない。このタイミングで業界から足を洗った者は多い。

 新たな人材を取り込もうにも、業種を問わず人手不足が叫ばれる中、「きつい」「汚い」「危険」の3K職場というイメージが付きまとう建設業は若者に敬遠されている。他の産業と比較して若年層の割合は減り、一方で高年齢層の割合が増え続けている。

 業界ではこれを表すグラフを「ワニの口」と呼ぶ。その口は閉じることなく、広がるばかりだ。今後10年で職人の3分の1が引退すると見込まれ、人手はさらに足りなくなっていく。