そんな人に対して、「もっとこうしたほうがよい」など壁の乗り越え方ばかりを説明していてもきっと相手には伝わりません。むしろ大切なのは、登った先にまったく違う世界が広がっているのだと示すことではないでしょうか。

 それは、メールの文面に限りません。たとえば、ある商品のキャンペーンを行っている最中だとしましょう。まだ慣れていない新人は、一つひとつの商品をどうやって売るのか汲々として、なぜキャンペーンするのかという目的が理解できません。

 そんなときは、商品の売り方を説明するだけでなく、そのキャンペーンが終わったときに自分がどんな姿になっているかをイメージしてもらうことも大切です。

「キャンペーンの意味は自分の営業力をあげるためなんだ。大変かもしれないけれど、この山を登ったら、もっと高い山に登れる体力がつく。それにすでにもう登り始めているよ」

 そんなひと言をかけてあげれば、新人の取り組み方も結果も大きく違ってくるはずです。

「相手の名前を呼ぶ」ことがもたらす効果とは

 メールやちょっとした会話での「ひと言」は相手に好印象を残しますが、より人間関係を親密にし、自分を印象づける重要なポイントは、相手を名前で呼ぶこと。これは営業でも接客業でも客商売の基本です。駆け出しの営業は、単に役職で「社長もご存じだとは思いますが」などと言いがちですが、“できる”営業は「山田社長」「川口社長」というように必ず名前を呼んでいます。

 では、なぜ名前で呼んだほうがいいのでしょうか?名前で呼ぶことは、その人を業務上のファンクション(役割や機能)として扱っているのではなく、一人の人間として向き合っていますよ、という表明です。呼ばれる側からみると、相手から認められているという「承認欲求」を満たすものであるため、名前で呼んでくれる人に対して親しみを感じるのです。簡単にいえば、名前をきちんと呼ぶことは、相手を「個人として認めることであり、それは敬意につながるからこそ大切にしたいのです。

 また、名前を呼んだほうがいいのが社名でも同じことがいえます。「御社」と言うよりも、「○○産業様」と言うことで相手に対する敬意が伝わるでしょう。