「保険的な利下げ」
バランスシート縮小は終了

 1日のFOMCの公表文とパウエル議長の記者会見から、その点も含めて、今回の利下げでは次のようことが注目点として考えられる。

(1)緩和への転換は、利下げによって海外から及ぶ米国経済への下振れリスクと、物価上昇ペースが鈍いことに対処する目的であること

(2)あくまでも「保険的な利下げ」であり、FRBは1回限りとも長い緩和サイクルの始まりとも言わなかったこと

(3)今回の利下げは景気サイクル中盤でのもので、さらなる景気拡大を促すことに重きがあること

(4)バランスシート縮小の終了時期を、当初の想定の9月から今月7月に前倒ししたこと

 補足すると、(1)についてはFRBが従来から言及していたことだったため、特段、市場の動揺につながることではなかったが、(2)は累次の利下げを期待する市場関係者には失望を生んだ発言内容だった。

 このため市場は一時、やや大きくドル高、株安、債券安(金利上昇)で反応した。

 (3)の景気サイクルについて、「今が中盤」とあえて表現したことは、「FRBが利下げをすることは、景気が拡大する余地そのものがない」との市場の懸念を和らげる狙いと思われる。

 そして、(4)のバランスシートの縮小停止を前倒しとしたことについては、2017年10月から縮小を進めてきた中で、実体経済と資金需給のバランスからこれ以上の縮小が不要と判断したことと、トランプ大統領が「量的引き締めだ」と批判していることにも配慮しての決断だと思われる。