灼熱の夏にピッタリなデザートがアイスクリーム。でも、みなさんはアイスクリームを買う際に、ちゃんと表示を見て、正しく理解して選んでいるだろうか。実は、よかれと思って、かえって体によくない商品を食べている事例が散見されるのがアイスクリームなのだ。今回は足元で消費のピークを迎えているアイスクリームにまつわる「食の嘘」を『医者が教える食事術2 実践バイブル』の中から紹介する。(初出:2019/08/15)
かき氷やアイスキャンディの
タイプは砂糖の塊
昔から多くの人に愛されているのがアイスクリームです。観光地ではたいていソフトクリームが売られていますし、コンビニのアイスクリーム用の冷凍庫は、冬でも商品がぎっしり詰まっています。それだけ需要があるということでしょう。
コンビニのアイスクリーム用冷凍庫に詰まったいろいろな商品は、よく見るとアイスクリームばかりではありません。アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓の4種類があります。
一番わかりやすいのが氷菓です。カップに入ったかき氷タイプ、アイスキャンディタイプとありますが、いずれも清涼飲料水が凍ったのと同じで、砂糖の塊です。
わかりにくいのはアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイスの違いです。この3つは成分によって分けられます。
アイスクリームを名乗るには、乳固形分15%以上、乳脂肪分8%以上が必要です。アイスミルクは乳固形分10%以上で乳脂肪分3%以上、ラクトアイスは乳固形分3%以上となっていて、商品の成分表示にもそれが書かれています。
「健康のため脂肪分が少ないものに」
でラクトアイスを選ぶのは大間違い!
この表示を見て、「健康のために少しでも乳脂肪の少ないラクトアイスにしておこう」と考える人が結構います。しかし、この判断は大間違いなのです。
ラクトアイスはアイスクリームと比べて乳成分が少なくなっています。それでもアイスクリームに近い味を出すために何をしているかといったら、植物油脂を足しています。
そうした植物油脂にはトランス脂肪酸(心疾患のリスクを高めることがわかっている不自然な合成油)というとても体に悪い物質が含まれています。そんなものを選ぶくらいなら、少しくらい高価でも、ちゃんとしたアイスクリームを食べたほうがずっと健康的です。
ちなみに、コーヒーに入れるミルクもどきの「フレッシュ」も同様です。あれは、ミルクではありません。植物油脂と水に乳化剤という添加物を入れたものです。
ラクトアイスはアイスクリームではありませんし、フレッシュはミルクではありません。知らなかったのなら、もう、それふうのニセモノを口にするのはやめましょう。特にアイスクリームは子どもにも食べさせる機会が多いと思いますので、ぜひ正しい知識を頭に入れておいてほしいものです。