米連邦準備制度理事会(FRB)当局者は7月31日、利下げを決定した理由として、世界経済の鈍化や貿易の低迷、投資の冷え込みを挙げた。ここで問題となるのが、借り入れコストを25ベーシスポイント(bp)引き下げることで、どの程度企業を支援し、FRBの管理が及ばない要因によって引き起こされた広範な減速をどれだけ和らげることができるかだ。投資抑制の主因が関税を巡る懸念だとすれば、金融政策は完全な手段とは言えないかもしれない。シティグループの首席グローバルエコノミスト、キャサリン・マン氏は「世界経済が直面している真の問題は、貿易を巡る不透明感であり、金融政策はそうした不透明感に対処することを目的とはしていない」と述べる。