似たような内容の高額講座に
突然の路線変更

「サロンメンバーは、毎月1回、Aが登壇する講座に参加できます。私も楽しみにしていたのですが、ふたを開けてみて驚きました。内容が毎回ほとんど同じなんです。それも引き寄せの法則についてなど、そのへんで売られている自己啓発本に書かれているようなことばかり。あとは、Aがどれだけお金持ちかという自慢話。とても15万円の価値があるとは思えませんでした」

 さらに、数回目の講座の際に、突如Aが「私はもうお金はいらない。皆さんに教えることもないので、今日の講座は質疑応答の時間にする」と言い出したという。

「それまで、散々、お金を引き寄せることばかり話していたのに、急に『お金はいらない』と、真逆のことを言いだしので、びっくりしました。自分で話すことを辞めたのを見ても、ある程度信者からお金が集まったことで、本人のやる気がなくなったんだと思います」

 このセミナーをきっかけに、沙奈さんはAの呪縛から解き放たれた。それまでも、Aに対する批判的な意見がネット上にあふれていることは知っていたが、盲信していた頃は、それらはすべて「ドリームキラー」だと思い拒否していた。しかし、改めてAの情報を調べてみたときに、自分がいかに、稚拙なうたい文句にだまされていたかにようやく気がついたという。

「結局、私に残ったのは50万円の借金だけです。ダメ元でサロン費用の返金を求めましたが、『個人の都合による返金は一切応じない』と言われて以降、返信はありません」

 呪縛が解けた沙奈さんは、今もたまに、AのSNSをのぞくという。

「Aは集客する際に、必ずといっていいほど『私に会えるのは、今回で最後』と言います。私もそうですが、そう言われると『最後だから…』とついお金を払ってしまいます。もちろん、最後というのはうそで、また何事もなかったかのように活動を続けます」

 現在、借金はすべて返し終えたという沙奈さん。心の弱った女性を食い物にするSNS起業家に、どうかだまされないでほしいと話す。

「1人で抱え込まず、身近な人に相談してください。あなたのお金は、他人に貢ぐのではなく、自分のために使うものです」

 誰かにすがりたいという心の弱みに付け込まれた代償は大きかった。