近年、急増する“ブラックNPO”。仕事に“やりがい”を求めたり、自己肯定感の低い若者たちが食い物にされているのだ。ボランティア精神や社会貢献意識という言葉を隠れみのにした、悪徳NPOの実態に迫った。(取材・文/黒沢一樹、構成/清談社)

“やりがい”の名のもとに
無償・過重労働も

若者をやりがい搾取するブラックNPOはたくさんあります
「月給18万円」「交通費ゼロ」「タダ働き」...ブラックNPOは劣悪な待遇を「あなたが日本を救う」というような美辞麗句でごまかす(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 NPOと聞いて、ボランティアを思い浮かべる人は多いだろう。NPOとは、「Non-Profit Organization」の頭文字を取ったものであり、「非営利組織」という意味だ。

 NPOの存在意義は、社会貢献にあるといっても過言ではない。東日本大震災以降に流行した「ボランティア休暇」や「二枚目の名刺」などの言葉に代表されるように、社会貢献をしたいという人は少なくない。また、社会貢献はするべきだという風潮もある。

 しかし、それを逆手に取った悪徳NPOも存在する。やりがいという名のもとに、無償で重労働を強いる。若者を使い捨て電池のごとく、目減りすれば新しいものへと交換。「インターン」といった言葉で、社会貢献を求める若者を集めて従事させるのだ。

 そもそも、「非営利=お金もうけはダメ」ではない。誤解を恐れずに言えば、非営利とは「仲間内や出資者の中で利益を分配してはいけない」という意味である。売り上げから費用を除いたものが利益であるが、そもそも組織として、利益を出さなければ継続して活動などできない。つまり、NPOがお金をもうけること自体は合法なのだ。

 しかし実際には、「非営利だからタダ働きしろ」と若者に強いるNPOが後を絶たない。

 NPOに自ら進んで就職したがる若者はどんな動機を持っているのか、もう少し詳しく見てみよう。

「やりたいことができるならば、お金なんて関係ない。社会貢献って素晴らしいし、人のためになる仕事っていいですよね」(都内在住の大学3年生)

「地元にいても認めてもらえないし、新しい自分を見つけたい。必要とされる自分でありたい。『やりたいことがある』とか『社会貢献がしたい』といった言葉を使えば、自分の失敗人生の言い訳になるし…」(他県NPOに就職した20代女性)

 今や社会貢献という言葉は、ファッションのような感覚で使われているのかもしれない。全てが許される免罪符的な役割もあるように感じる。